尿路結石の治療法・泌尿器科
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尿路結石症

 尿路結石症は古くから人類の誕生とともにあった疾患と思われ、古代エジプトのミイラに膀胱結石(BC4800年)や腎結石(BC4200年)が見つかっています。近年の生活様式、食生活の変化に伴い、本邦でも急速に増加しています。2015年の調査では本邦の推定年間有病率は137.9 /10万人、生涯罹患率は男性が6.5人に1人、女性が13.2人に1人と多くの方が本疾患に煩わされています。

 当泌尿器科では、昭和63年5月の開院以来33年が経ちましたが、多くの尿路結石の患者さま方を治療してきました。このような豊富な経験のもとに、あらゆる尿路結石症に対応でき、患者さま方に安心して治療を受けていただけるように努力しております。

尿路結石症とは

尿路にみられる結石の総称で、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石などがあります。腎臓では水分以外に多くのものが濾過されますが、必要なものは再吸収され、残ったものが濃縮されて尿になります。通常腎杯には小さな砂がついていますが、小さなうちにはずれ結石になりません。尿が濃縮され結石になる成分が多くなると、砂が少しずつ大きくなり結石ができるのです。多くは無症状ですが、結石が動くと痛みが起ることがあります。

尿路結石症の痛みの原因

結石が腎杯に付いている間は痛みはありませんが、結石がはずれ尿管にはまりこんだ時、刺激で尿管が収縮し結石をつよく持ちます。これにより尿の流れは止まり、内圧が上り腎臓は急に腫れ激痛が走るのです。痛みは結石の大小に関係なく、腎臓が腫れる早さに比例するようです。

尿路結石症の治療

1.痛みに対する治療

尿管の収縮を抑える注射(筋注、静注)と鎮痛剤(座薬、注射)を同時使用し、あとはしばらく安静にすることです。

2.保存的治療

痛みが治まれば、横径5mm以下の結石では対症療法と呼ばれる排石を促す薬と、水分を多く摂り、体をよく動かして外来通院で、排石するかどうか様子をみます。特殊な成分の結石以外は基本的には結石を溶かす薬はありません。

3.新しい尿路結石症の治療

当院では、あらゆる尿路結石に対応できます!

以前は、大きな結石、排石しない結石は開腹による手術で結石を摘出していましたが、最近は技術と機械の進歩により、次にあげる4つの方法で身体を切らずに結石の治療を行っています。

A) ESWL(体外衝撃波結石砕石術):

 体外より発生させた衝撃波を結石に集め、結石を小さく砕石し自然に排出させる治療法です。外来治療も可能ですが、結石の大きさ、数、場所により入院にて2〜5回治療が必要な事があります。

 当院でのESWLは、1988年の開院以降33年間で、35,000回以上になっています。現在のESWL機器は、エダップ社製で、4機種、6台目に更新しています。スパークギャップ方式(写真)で、浴槽はなく、装置はコンパクトで、 患者さんを動かすことなく超音波とX線透視が行えます。無麻酔ですが、坐薬を使うこともあります。最近10年間は、年平均450症例(1000回)行っており、治療成績は腎結石全体で消失率73%、有効砕石(4mm以下の残石)を含む成功率94%、尿管結石では消失率95%、成功率98%でした。

現在のESWL最新機器 Sonolith i-sys<
現在のESWL最新機器 Sonolith i-sys

B) TUL(経尿道的腎尿管結石レーザー砕石術):

 麻酔下に細い内視鏡を尿道から尿管まで入れ、尿管内の結石を種々のエネルギーを用いて砕石する治療です。翌日には歩行可能で、数日以内に退院できます。最近は、超細径硬性尿管鏡や、軟性尿管鏡を用いてレーザー砕石を行っており、腎内の結石の治療も可能となっています。近年は、年間200件前後行っています。

C) PNL(経皮的腎尿管結石レーザー砕石術)、エシルス(ECIRS):

 麻酔下に独特な体位より、背中より腎臓に穴をあけ、内視鏡を挿入しサンゴ状のような大きな腎結石を砕石する手術です。近年では、同時に尿道からの内視鏡を挿入しアシストするエシルスが主流となっています。

【ECIRS エシルス】

ECIRSは経皮・経尿道同時内視鏡手術といって背中と尿道から同時に内視鏡を挿入し、サンゴ状結石のような大きな結石に対して行う手術で、当院では2022年4月より導入しております。
 この手術は、他の治療(ESWL,TUL)単独で治療困難な大きい結石の治療で効果を発揮します。腎臓からの入れる内視鏡が太いと出血や輸血のリスクが高くなりますが、当院では細い内視鏡を挿入するため、より出血のリスクが低く、低侵襲な手術が行えるため、これまで輸血が必要になったことはありません。

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尿路結石症の予防

 食事と食事の間に何回かに分けても良いですから水分(番茶か麦茶)を摂りましょう。夕食後すぐに寝ると、その食事の中の結石の成分が、夜間尿へ排泄されるので尿路に貯まると結石ができやすくなります。夕食後2〜3時間後に寝るようにしましょう。食事療法は結石の成分を確認し、その成分を摂り過ぎないことが大切ですが、実際には食事療法はなかなか難しく、簡単な予防としては、水分を多く摂取し1日尿量2000mlを目標にしましょう。

尿路結石教室のご案内

 尿路結石症一般、治療について、毎月第2と第4金曜日にPM1:30より当院4階会議室にて、泌尿器科部長 林 睦雄医師による、尿路結石教室を行っており、尿路結石でお悩みの方、家族のかたも気楽に参加して頂いていました。 しかし、現在ではコロナ禍にて、その話をタブレットに収録して、入院患者さんに見て頂いております。尿路結石についての知識や日常生活についての注意事項など詳しく説明しています。
詳しくは4F病棟または、代表電話 082-242-1515 まで。
尿路結石教室のご案内