下肢静脈瘤の治療法:静脈瘤・血管外科
下肢静脈瘤の治療方法について様々な療法をご説明しております。弾性ストッキング、硬化療法、ストリッピング術、内視鏡下手術などの詳細と利点、不向きなケースなどご案内しております。
当院では1998年より内視鏡下不全穿通枝切離術(SEPS)を応用した静脈瘤手術を開始し、2014年4月より保険適応となりました。
これは広島大学医学部第二外科講師春田直樹医師が
考案した術式を導入したものである。
この結果、例えば大伏在静脈型静脈瘤において、
下腿の2箇所の小さな傷だけで、
根治度の高い治療が行えるようになった。
内視鏡下不全穿通枝切離術(SEPS)
(「手術」平成12年8月号より引用)
SEPSに関する著書の紹介
医学雑誌「手術」平成12年8月号」
International Journal of Angiology 11:17-22,2002
1.弾性ストッキング
進行を遅らせるが治癒は望めない。
関連の弾性ストッキングの紹介をご覧ください。
2.硬化療法
外来で治療可能だが再発の恐れ
下肢静脈瘤硬化療法
静脈瘤も早期であればこのように外来治療が可能です。
硬化療法による静脈瘤消失の実例
硬化療法による静脈瘤消失の実例
クモの巣状静脈瘤への応用(Super Fine Sclerotherapy)
通常外来通院にて治療可能です。
3.ストリッピング術
多数の傷跡と神経障害の恐れ
4.内視鏡下手術・その他
難易度が高く適応症例を選択
内視鏡手術により脚の腫瘍治癒が得られた1例
症例:45歳,男性
病気の経過:
平成9年に左下腿潰瘍が生じ、下肢静脈瘤手術を受けるも改善得られず潰瘍増悪し、平成13年12月に当院紹介受診される。創部より緑膿菌とMSSAを検出する。
手 術:
平成14年1月11日内視鏡を用いた左下肢静脈瘤手術を施行。
平成13年12月13日外来受診時
(左下腿全周性にうっ滞性皮膚炎による色素沈着と2箇所の大きな潰瘍を認める)
平成15年8月29日外来受診時
(2箇所の潰瘍は治癒し、色素沈着も軽減している)
手術後の経過
うっ滞性皮膚炎の沈静化、潰瘍は手術後186日目に治癒が得られた。現在術後3年が経過したが、潰瘍の再発はありません。