リンパ浮腫・血管外科
リンパ浮腫は直らない病気ではありません。適切な診断と治療で改善します。一般に乳癌や子宮癌の手術をされた後、手足のむくみに気付れる方が多く見受けられます。「リンパ浮腫」は、主に乳癌や子宮癌の術後に発症した手足のむくみのことを言い、約8割の方がこのような原因からリンパ浮腫を発症しています。
これまでリンパ浮腫の患者さんの治療に携わってきて、
- 乳癌や子宮癌の術前にリンパ浮腫の説明をされていない
- 術後むくんでから的確に診断されることも少なく、やっと診断がついても対応する医療機関を知らない
- 四肢のむくみは癌を根治的に治療した結果であり、特別な治療法はないと言われて放置している
- リンパ浮腫、乳癌術後、子宮癌術後を各科が別個に扱い、連携した治療を受けられていない
- 結局あきらめている
・・・といった患者さんが多いという現実に直面しました。そして、このような患者さんを目の前にしても、現実は外来診療中のリンパ誘導マッサージや日常生活指導しかできず、十分な対応はできていませんでした。そこで、今までリンパ浮腫治療に携わってきた経験を生かして、院内にリンパ浮腫研究会を発足し、医師、看護師、理学療法士他コ・メディカルがチームを作り、四肢のリンパ浮腫治療に取り組んできました。その結果、当院では「リンパ浮腫教育入院」を平成17年4月より開始いたしました。
すでにリンパ浮腫が発症している患者さんに対し、自分自身で患肢を上手に管理できるように指導することにより、悪化を防ぐことを目標としています。また、手術によるリンパ節切除や放射線治療を受け、リンパ浮腫が発生する危険性が高いがまだ発症していない患者さんには、リンパ浮腫発症を予防する方法を習得していただくことを目標としております。治療の主体は患者さん自身であり、我々スタッフはその手助けをさせていただきます。
平成17年2月7日、病院内会議室にて下肢リンパ浮腫の自己ドレナージマッサージを15年以上にわたり実践されてきた患者さんに講師を依頼し、実習を行いました。これはそのときの1コマです。参加者は特に職域を制限せず、院内自由参加で行っております。
リンパ浮腫と診断はされたものの、どういった病気なのだろう、どう付き合っていったらよい のだろうとお悩みではありませんか。 当院血管外科では、リンパ浮腫の患者さんが、より病気についての理解を深めるために「リンパ 浮腫教室」を開催しています。病気に関する詳しい情報や、今後の病気との付き合い方につい て、約1時間かけてご説明いたします。病気と上手に付き合っていくためには、まず病気につ いて理解しておくことが大切です。予約等は不要ですので、お気軽にご参加ください。
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たかの橋中央病院血管外科では、リンパ浮腫患者会「ひだまりの会」のサポートをしています。ここでは、「ひだまりの会」のみなさんの活動をご紹介したいと思います。
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たかの橋中央病院では、「リンパ浮腫と上手につきあうために」と題した 小冊子を作成致しました。PDF形式にしており下記のアイコンからダウンロードできます。容量は、1.4MBです。是非ダウンロードしてご覧下さい。