リンパ浮腫トップページ:血管外科:たかの橋中央病院
トップページへ

高度医療のご案内
  • 接解式レーザー蒸散術(CVP)
  • ガンマナイフ
  • ニューロ モデュレーション センター
  • 静脈瘤治療 リンパ浮腫
  • 各診療科 医療実績
診療科のご案内

*

リンパ浮腫治療:リンパ浮腫・血管外科

リンパ浮腫治療におけるその検査方法治療方法、そしてご自分で治療ができる持続可能なセルフトリートメントの方法をご説明しております。

当院リンパ浮腫治療の実際

どんな検査をするの?

リンパ浮腫は、通常は経過と症状だけで診断がほぼ可能です。
当院外来では、問診の他に超音波検査・CT検査・MRI検査を行います。また、他の疾患と区別するために血液検査・心電図検査・レントゲン検査などの一般検査を行います。入院後は定期的に触診・周径測定・患肢容量測定を行っています。

外来でのリンパ浮腫検査

これが外来受診で最初に受けていただく超音波検査の機械と診察台です。もちろん無侵襲な検査です。
リンパ浮腫検査:超音波検査

      

どんな治療法があるの?

一般に、以下のような治療法があるといわれています。

  • 挙上:単純なものではありますが、効果的です。浮腫のある四肢の、先の方が高くなるようにして挙上します。
  • 複合的理学療法:スキンケア、リンパ誘導マッサージ、圧迫療法、圧迫した状態での運動療法の4つからなります。
    *リンパ誘導マッサージは「リンパ浮腫を理解するために2」のページで説明
  • 空気圧式圧迫療法:空気式マッサージ器(ハドマー)を用いた、波動型マッサージをいいます。
  • 薬物療法:有効な薬物はほとんどないのが実情といわれています。
  • 手術療法:リンパ浮腫が進行した場合には、リンパ浮腫組織切除術・リンパ誘導術といった手術を行うことがあります。
    *手術療法は「リンパ浮腫を理解するために2」のページで説明

この中でも、当院では 2. の複合的理学療法を中心とした治療を行っています。以下その複合的理学療法の説明です。

複合的理学療法とは?

欧米では以前から最も基本的なリンパ浮腫の治療法とされているもので、『スキンケア』、『リンパ誘導マッサージ』、 『圧迫療法』、『圧迫した状態での運動療法』の4つから構成されています。

スキンケア

リンパ浮腫を発症した患肢が乾燥すると、皮膚を保護するバリアが弱くなり、トラブルを起こしやすくなります。また、免疫力も低下して大変デリケートな状態になっているため、わずかな外傷や水虫などでも悪化の原因となりえます。そのため、皮膚が乾燥しないようにしたり傷をつけないようにすることで、悪化を防ぎます。

リンパ誘導マッサージ

リンパ浮腫に対するマッサージは、いわゆる「マッサージ」のような強い力で行うのではなく、ゆっくりと、やさしい力で行います。これにより、患肢にたまったリンパ液の流れをよくし、健康なリンパ節にリンパ液を送り込みます。このマッサージで利用するリンパ管は皮膚のすぐ下にあるので、強い力で行うとリンパ管をつぶしてしまい効果が半減してしまいます。リンパ誘導マッサージには、禁忌となる疾患があるので注意が必要です。

リンパ誘導マッサージの禁忌

 

a.一般禁忌

  • 感染症による急性炎症
  • 心性浮腫、心不全
  • 下肢静脈の急性疾患(深部静脈血栓症、急性静脈炎等)
  • 悪性腫瘍による浮腫(相対的禁忌)
   

b.局所禁忌〜マッサージは可能だが、局所的に施術できないもの〜

 

(1)頚部の急性疾患、血圧昇降やホルモン分泌の急激な原価が危惧される場合等

  • 甲状腺機能亢進症
  • 頚動脈洞症候群
  • 重症な不整脈
  • 高齢者(相対的禁忌)

(2)腹部の急性・慢性疾患、妊娠中、腹腔内の手術や照射療法後等

  • 腹部の急性・慢性疾患
  • 放射線性腸炎、放射線性膀胱炎
  • 大動脈瘤
  • 腸閉塞症の既往がある場合
  • 骨盤内静脈血栓症の既往がある場合

圧迫療法

リンパ浮腫を効果的に軽減し、改善された状態を維持するために弾性包帯や弾性ストッキング・スリーブを使って圧迫します。原則として先の部分にかかる圧が最も強く、付け根に向かうに従ってゆるくなるようにします。これにより、リンパ液が戻りやすくなります。ただし、心性浮腫や心不全、動脈閉塞性疾患がある場合は圧迫により症状が悪化する場合があるため、医師による適正の判断が必要となります。また、強く巻くほど効果が期待されるというわけではなく、あまり強く巻きすぎると血行障害や炎症を起こす危険性があります。
*弾性ストッキング・スリーブは「弾性ストッキング・スリーブの紹介」のページで説明

圧迫下での運動療法

リンパ液の誘導は、日常の生活の中で身体を動かすだけでもある程度行われています。  皮膚のすぐ下にあるリンパ管を流れるリンパ液の流れは、身体を動かして皮膚がずれることによって活発になります。また、リンパ液を皮膚表面からもっと奥の方へ送り込む力として、腕や脚の関節を動かすことで得られる筋肉のポンプ作用というものがあります。ですから、腫れているからといってじっとしているよりも、少しでも動いた方が浮腫の軽減のためにはよいといわれています。 ただし、過度の運動は浮腫の悪化を招く恐れがあるので注意が必要です。

教育入院について

期間は原則2週間の入院となっています。患肢を細くするための治療だけでなく、できる限りリンパ浮腫について理解を深めていただけるように教育的項目も設けました。 治療は退院後にもご家庭で継続できるように指導させていただきます。受身の治療ではなく、参加型の治療を目指しています。

教育的項目

  • リンパ浮腫がどうして生じるのかの理解
  • 複リンパ浮腫の病態の理解
  • リンパ浮腫に対する治療法の理論的裏づけ

治療項目

  • スキンケアの方法の指導
  • リンパ誘導マッサージ治療および指導(退院までにご自分でマッサージできるようになることを目標とします)
  • 弾性包帯を使用した圧迫療法(患肢にご自分で弾性包帯を巻く技術を習得していただきます)
  • 圧迫下での運動療法の指導

その他

  • メンタルケア(残念ながらメンタルケアの専門家は我々のスタッフにはおりませんが、院内勉強会で多くの患者さんの生の声に接しており、患者さんがどんな思いで日々過ごされているのかを理解しようと努力しております)
 
血管外科:リンパ浮腫のコンテンツ
リンパ浮腫を理解するために1 リンパ浮腫を理解するために2リンパ浮腫治療
弾性ストッキング・スリーブの紹介 リンパ浮腫と上手につきあうために
リンパ浮腫トップページ
血管外科のコンテンツ
血管外科トップ 静脈瘤
レーザー治療 担当医ご紹介

内視鏡下静脈疾患治療研究会事務局

リンパ浮腫患者会「ひだまりの会」