ガンマナイフ:ガンマナイフセンター:たかの橋中央病院
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ガンマナイフ・たかの橋中央病院(広島市中区)

ガンマナイフ治療は1968年にスウェーデンのカロリンスカ大学脳神経外科のレクセル教授により開発された放射線治療の一つです。放射線を一点に集中させて頭部の病変に照射し病巣のみを凝固壊死させる治療法です。

ガンマナイフセンター実績

下記実績データは、2000年から2017年までのデータです。

当院症例数推移表

ガンマナイフの原理

ガンマナイフの原理
ガンマナイフは機械本体のセクター部分に設置された放射線源から出るガンマ線が1ヶ所に集中するように設計されています。192本のガンマ線が1ヶ所に照射されることで目的の部位にエネルギーを集中させ病巣を焼き縮めるように治療します。
脳深部の病巣や高齢者、開頭手術の危険度が高い人でも治療が可能になります。そのため、治療を受けられる方の苦痛や負担が大きく軽減する治療法です

ガンマナイフの安全性

ガンマナイフの安全性
照射範囲・線量の設定はコンピューターの治療計画ソフトで行われます。治療前の画像をもとに、病巣の範囲を正確に縁取り、照射範囲を設定します。照射誤差0.3mm以内という高精度のため、病変周囲の正常組織に影響を与えることなく、副作用も極めて少ない治療方法です。
マスク固定システムを導入することで、これまで制限のあった大きな病変やリスクが高い部位での治療も分割照射を行うことができ、治療適用の拡大が可能となりました。

ガンマナイフの特徴

1.入院期間の短縮 

1回照射のガンマナイフ治療による平均入院期間は、2泊3日です。分割照射を行う場合の入院期間は、1〜2週間です。

2.到達困難な病巣の治療

脳神経外科手術では到達が困難な深い場所の腫瘍や、後遺症が心配される場所の治療もできるようになりました。

3.種々の合併症からの回避

脳神経外科手術で問題となる感染症や麻痺などの合併症がほとんどありません。退院後すぐに通常の生活に戻ることが可能です。

4.経済的利点

治療には健康保険が適用され、入院日数も短いため、多くの経費を節減することができます。

ガンマナイフ治療適応

病気の種類や状態、病巣の大きさや位置などによってガンマナイフによる治療が適応となる場合と、開頭手術、他の放射線治療が適応となる場合があり、総合的な判断が必要です。たかの橋中央病院ガンマナイフセンターでは、患者さん一人一人の病状を常に検討し、総合的な判定を行った上でその人にあった治療を行っていく方針です。

治療法

1. 頭部固定

フレーム (1回照射の場合)

固定枠の装着頭部の4カ所(ひたいに2カ所、後頭部に2カ所)に局所麻酔(痛み止めの注射)を行い、ネジ式のピンをしめて、フレーム(金属の枠)を頭蓋骨にしっかり固定します。

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枕・マスク作製 (分割照射の場合)

固定枠の装着これまで制限のあった大きな病変やリスクが高い部位での治療も、赤外線監視システムを使用し分割照射を行うことができるようになりました。

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2. 検査

固定枠の装着病態に応じてMRI、CT、脳血管撮影などの検査を行い、病巣の位置を決定します。この画像データをワークステーションに転送し治療計画を行います。

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3. 治療計画

治療計画 ワークステーションにて治療計画ソフトを用い、得られた画像から立体的に病変全体に照射が行えるよう範囲を設定し、照射位置を決定していきます。病巣の大きさ、形、場所、放射線に対する感受性等の種々の因子を考慮し、照射線量(ガンマ線の量)を決定します。

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患者さんには、医師が治療計画を立てている間、お部屋で安静にしていただきます。 トイレやお食事も可能です。
*お食事は、フレームがついていても食べやすいように工夫しております。

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4. 照射

治療 照射時間・回数は、病変によって異なりま す。 照射中は痛みなどはなく、意識もはっきりしたまま、リラックスした状態で ベッドの上に横になっているだけです。

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*モニターで観察しています。マイクでお話もできます。
*お好みの音楽を聴きながら、リラックスして治療を受けることもできます。

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副作用

病巣の性状、大きさ、形、場所によって違いはありますが、病巣周囲の脳の腫れや、脳神経症状の増悪が数か月後に出現することがあり、注意を要します。まれに数年の経過の後、周囲脳組織に放射線壊死の状態がおこり、入院や手術が必要となることもあります。また、頭髪の脱毛が部分的におこったり、頭皮のしびれ、違和感等の症状が出現することもあります。その他、全く予期しない合併症がおこることも極くまれにあります。

適応疾患

脳腫瘍

聴神経腫瘍頭蓋咽頭腫髄膜腫下垂体腺腫
神経膠腫転移性腫瘍など

血管障害

脳動静脈奇形 広島大学病院 脳神経外科ホームページへ

機能的疾患

三叉神経痛 (平成27年7月より保険適用)

ガンマナイフ、これからの展望

今後、日本は高齢化社会を迎え、開頭手術が困難となるケースが多くなり、また、画像診断の発達により無症状で小さい病巣が見つかるケースが増えてきています。そういった方の生活の質を向上させるためにも、より低侵襲なガンマナイフの治療が期待されます。

写真提供:エレクタ株式会社

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